紙んぐあうとvol18


特種東海製紙は2月2日、新しい高級印刷用紙の発売を開始した。製品名は『AIRUS(エアラス)』。開発で目指したのは「人間の記憶に残る紙」とのこと。製品名は空気「air」+私たち「us」の造語で、同社販促ツールには「2015年は、歴史上2度目の紙の発明の年として記憶されるかもしれない」と、相当の自信がうかがえる。

規格は四六判Y目と菊判TY目を用意。四六判は<80><100><120>、菊判は<55.5><69.5><83.5>と、嵩高ならではの少々変則的な連量設定となっている。色展開は「スーパーホワイト」と「ホワイト」の2色。その色にもこだわりがあり、「スーパーホワイト」はかなり白く、『ミセスB』の「スーパーホワイト」に次ぐレベルに設定。また「ホワイト」は無蛍光染料で、経年変化を少なくしている。ただ販促ツール等に白色度の記載は見当たらず、正確な数値は不明。

『エアラス』最大の特徴は、嵩高と印刷適性を従来にないレベルまで両立させた点だ。非公開データながら、現行の『ヴァンヌーボVG』並の印刷グロスが出るにもかかわらず『ヴァンヌーボF-FS』クラスの嵩高加減だという。印刷グロスに限れば、同社のMr.B、ミセスBをも上回る。

『エアラス』のもう1つの特徴として、手触りが挙げられる。実際に手に取ってみると、塗工紙とは思えないほどのさらさらした感触が新しく、印象的だ。しかし手触りがよいと気になるのが、印刷後の擦れ。同社によると『ミセスB』と同程度とのことで、耐折性も『Mr.B』『ミセスB』とほぼ同じだという。

これらの特徴を生み出しているのは、原料や設備の見直しと設備改良。メーカーは、主原料であるパルプの種類については明言を避けたが「通常、印刷用紙には使わないが、生活用紙にはよく使う」ものを選択したという。塗工方式も印刷用紙としては珍しいカーテンコーターを採用、新設している。

嵩高+軽量で柔らかい一方、単体では腰の弱さが気になるところ。本文ではなくカバーや帯などに採用を考える時には、まず実物を触って強度を確認することをお勧めする。