京橋紙業株式会社

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古きを温めたら新しき知に出会うかも

ある日、都内某所のギャラリーにて、和紙のタペストリーを見かけました。
漆器の展示会に設えてあった、漆の木の板に漆を塗って和紙に捺したものです。
漆の色の階調や、木片の景色もなかなか素敵で、なんとなくパウル・クレーを思い出すようでもあり、モダンなまるで現代アートのようでした。
紙にしても漆にしても、それはそれは古くから日本人が親しんできたものですが、
決して古びたものには見えないから不思議です。

紙はもちろん、漆も実はとてもサスティナブルな素材といえます。
(熱にも酸にも油にも紫外線にも強くて、最終的には土に還れるので。)
「The JAPAN」と称されるそれは、今でも塗料としてこれ以上のものを人は開発出来てはいないのだとか。
漆の樹液そのものに直接触れるとかぶれたりしますが、よくこれをこんなに有益なものにしたものだと感心します。
”紙”も、きっと関わり方は変わっていっても、完全に廃れることはない素材だろうと思います。
石油製品などの代替として期待できる部分もあるでしょうし、ご存じのとおりサスティナブルで、なんならエシカルでもあるものですから、ある意味時代の最先端といえなくもないです。
使い方、なのでしょうね。

「伝統」とは夥しい臨床と検証の積み重ねの果てに生き残ったもので、
単に古いものではないんだな、と最近つくづく思います。
世界各地で伝統技術を元に生まれる「最先端」もありますものね。

なになに、日本で核廃棄物の放射線を無害化できる技術の開発!?
ミュオンって聞いたことないけど、ニュートリノとかみたいに私たちが知らないだけでずっとその辺にあったものなの?
へぇ、でもそれってなんて素晴らしいこと!
これまでの研究成果の上に成り立つものなのでしょうし、早く実用化されますように。

繊細で素晴らしいものづくりは日本のお家芸、つまりはこれもある種の伝統でしょう。
もっとワクワクできるものや技術にこれからもたくさん出会いたいものです。

いつか、伝統的な弊社の社風からも革新的な何かが生まれると良いですが。
でも、ウチには繊細さはあまり…(笑)

 

 m.i.

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