新着2024.01.22大和板紙株式会社 & 柏原紙商事株式会社2016.02.22王子エフテックス株式会社2015.11.20神戸派計画(大和出版印刷株式会社)2015.07.22特種東海製紙株式会社2014.09.26京橋ペーパーショールームのロゴデザインをしていただきました!!
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京橋・小川(以下、小川):どうも、今日はよろしくお願いいたします。
王子エフテックス・河村氏(以下敬称略):よろしくお願いします。
ヤマト・有澤氏(以下敬称略):こちらこそよろしくお願いします。
小川:今回お話を伺うのは『OKニューブックスタイル』についてです。最初に整理しておくと、開発の中心となられたのがヤマトさん、その要請を受けて実際の製品を開発したのがエフテックスさん…でよろしいですよね?
有澤:ええ、そうですね。
河村:はい。
小川:早速ですが…と。忘れそうになりました。掲載用の写真を撮らせていただきます。
河村・有澤:そう伺っていたので上着を用意しておきました。
小川:クールビズ期間中なのに申し訳ないです。…ご協力感謝いたします。どうぞ、クールビズで進めましょう。それでは、まず伺いたいのはこの『OKニューブックスタイル』の開発開始はいつごろなのでしょうか?
有澤:開発開始が2010年の初めごろ、そして発売が2012年の11月でした。
小川:この秋で3年になるのですね。確か2012年って…エフテックスさんが会社名を変更したときですよね?
河村:ええ。まさしくそのタイミングでした。この時期は『ブンペル』『ポルカ』『ポルカレイド』のリリースもありまして、なかなか大変でした。
(編注)王子エフテックス株式会社は2012年に王子特殊紙株式会社より社名変更を行っている。
小川:開発するにあたってのコンセプトについてお話していただけますか?
有澤:ファンシーペーパー離れを防ぐという目的もありました。更に開発時の背景として、版元さまからのコストダウンの要請に応える製品が求められていました。そして並製本が増えグレードダウンがすすみ、見返しのない本も見受けられていました。ただし、高級感は保ちたい…
河村:2010年というとリーマンショック明けです。買い控えと書籍の電子化がスタートしたのもこの時期でした。まだ上製本が優勢でしたが、スマートフォンが一気に普及したのもこの時期でした。そのような中で、高級感というキーワードに加えてナチュラル志向も求められました。
小川:ラインナップが既に答えになっている気もしますが…特にターゲットとしていた分野・用途について教えてください。
有澤:そうですね。四六判とA5判の並製本の表紙がそれに当たります。
小川:現在は新色が追加されて4色展開ですね。当初は2色でした。この色選択の基準についてお聞かせください。
有澤:どうしても1色ではインパクトが足りない。当初は5~6色は出したいと考えていました。
小川:「1つしかない」と「選ぶことができる」は大きく受ける印象が違いますね
有澤:結局、発売開始時にはクリーム系の「プディング」とグレー系の「スモーク」の2色になりましたが、この色を確定するのも大変でした。
小川:といいますと?
有澤:これは束見本を作って本という形にして選び出しました。
河村:グレーだけでもかなりの色数を用意して検討しましたね。
小川:束見本と言えば、この製品のサンプルですが…とてもユニークですね。まるでどこかにありそうなタイトルと著者名。これはどういった経緯で…?
有澤:当初はペーパーバック形式にしてしまうと、使い勝手の面からどうしようかと考えていました。しかし、「是が非でもこのスタイルで!」という強い要望がありまして(笑)
小川:インパクト大です。また、本文用紙がそれぞれ異なっている点もポイントですね。ところで、取り回しの良い通常の見本帳はご用意されていますか?
有澤:こちらです。『ニューブックスタイル』単独ではありませんが、『ブンペル』『ポルカ』『ポルカレイド』『ハーフエア』と一緒に収録されています。
小川:先ほどの色バリエーションに関することを一つよろしいですか?新色が追加されましたが、それについて教えてください。
有澤:「ピーチパフ」と「ソーダフロート」の2色です。特に「ピーチパフ」は女性向けの企画に人気ですね。聞き取りをベースにしてピンク系とブルー系が選択肢にないと、と考えて選びました。
小川:今、話していて気が付いたのですが…黒やブラウンといった濃い色合いのバリエーションが見当たりません。何か理由がおありなのでしょうか
有澤:それは製法上の理由があるんです。
河村:そうですね。この銘柄は、富士工場の7号抄紙機で生産しています。文庫の表紙や『ACカード』を抄造しているマシンです。
小川:厚物が得意な抄紙機ですね。
河村:はい。丸網多筒式の抄紙機で、色を漉き合わせることが可能なのですが、淡色であることという縛りがあります。濃い色と淡色の組み合わせだと特にプレスパートで色が混ざってしまいます。
小川:なるほど。そういうことでしたか。
小川:そして、この銘柄はとてもしなやかだと感じました。意図的にこのしなやかさを狙われたのですか?
有澤:ええ。せっかく表紙向けに開発したものですから。ただ「柔らかい」というだけではなく、コシがある柔らかさ、ですね。ただ柔らかいだけだとフニャフニャしてしまって表紙には心もとないですから。
河村:例えるならコシのない柔らかさは「草」で、コシのある柔らかさ…しなやかさは「竹」のイメージですかね。
小川:ページをめくる際の心地よさにもつながりますし、作り込んでおられますね。
小川:今後の展開について教えていただけますか?
有澤:色の展開は新色を含めた4色で一段落です。連量のバリエーションについても話題になることがありますが、一段薄いものを作るとしても特抄扱いになると思います。
小川:最後に、ユーザーのみなさまに一言いただけませんか?
有澤:手触りとしなやかさは是非手に取っていただき、実感していただけたらと思います。
小川:本日はお忙しい中、ありがとうございました。
有澤・河村:ありがとうございました。
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