京橋紙業株式会社

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住友スリーエム株式会社 表現する媒体・素材

Q.

3Mさんの扱われている素材の進化はもとより、アウトプットするハードの発展も目覚しいものがあります。今まで建築素材に近いイメージでしたが、今後ステージを広げ、化成品の扱いが容易になってきますね。

A.

そうですね。15年ほど前より大型のインクジェットロールプリンタ、デジタルプリンタが革新的に発展してきて、それに伴いインクも従来の染料インクから顔料インクが主流になってきまし た。これにより、日焼け・紫外線に強いプリントをすることが 出来るようになり、さらに溶剤系インクの出現により雨・風にも強いプリントが可能になりました。また自動車のような3次局面にも対応できる印刷物ができ、街中のサインディスプレイも大きく変わってきました。今までのベタ面と文字の組み合わせから、写真をメインにしたグラフィック表現が屋外でも簡単に扱え、表現の領域が広がって、多様性が出たと思います。また、看板以外にも内装(飲食店、量販店など)でもグラフィックスを扱えるようになりました。

Q.

壁紙とかですか?

A.

そうですね。壁紙、サインディスプレイ全般ですね。野菜売り場では「おいしそうなフルーツ」、鮮魚コーナーでは「新鮮な魚」のグラフィックスを什器に表現できるようになりました。

Q.

売り場も華やかになりますね。

A.

それと、どこに何があるかがよりわかりやすくなりましたね。でも、そういった内装分野でも行き着いた感があります。

Q.

次は3Dですね。

A.

そうですね。今、新しい取り組みとしては、映像を取り込む「デジタルサイネイジ」と言う分野です。当社も取り組んでおりまして、今後はデジタルサイネイジが今以上に広まっていくと思います。

Q.

それは、ハードメーカーさんとの共同開発になるんですか?

A.

そうですね。完全にディスプレイの部分に関しましてはOEMを受けています。ですからソフトの部分でオリジナルの部分を用意して、他社に無いもを用意しています。具体的に言うと、タッチして展開していく「i-Pod」のようなものをテレビサイズでやる「タッチディスプレイ」というものがあります。そのコンテンツを簡単に作れるアプリケーションソフトを3Mでは用意しています。

Q.

そこは「素材」じゃないですね。

A.

そうですね、この部分に関しては従来のビジネスとはまったく違った切り口ですね。ただカテゴリとしては同じサインディスプレイという分野ですね。

Q.

印刷会社様の営業先は広告宣伝を扱う部署や会社が多く存在しています。もちろん出版社も本を売るための広告宣伝という業務は非常に重要な部分でもあります。我々は「紙」を販売していますが、同じ「表現する媒体・素材」であるフィルムも同じような販売が出来るのではないか? また、我々の向いている先にはフィルムを必要としている方々がいるのではないかと思っています。

A.

我々も15年前まではスコッチカルフィルムと言う素材を「看板会社」に販売していました。フィルムをカットする機械を購入していただき、その素材を販売していたのですが、前段でお話した、プリンターの発展・普及により「フォトラボ業界」や「印刷業界」が我々の新たな、重要なお客様として重点的にご案内させていただきました。その一つとしては、プリンタってグラフィックをプリントできるのですが、当然誰かがデータを作らなければならない。そのデータを作ることは、当時のお客様であった「看板会社」よりも「フォトラボ会社」や「印刷会社」の方が先んじてMacの導入、フォトショップなどのソフトを当たり前のように熟知していらっしゃったんです。その「紙」を扱うお客様に「日焼け」をしないサインディスプレイを提供できますよ、と全国に営業をかけました。

Q.

プリンタメーカーは当初「紙」を対象に開発していると思うのですが、なぜフィルムをプリンタに通そうと思ったのですか?

A.

年賀状のように受像層を持たせたものがあ るように、我々もフィルムに受像層を持たせたものがあったんです。おそらく、そこからプリンタメーカーは「フィルム」を認識したのだと思います。その後、我々としてはプリンターメーカーにどんどんバージョンアップをさせて、どんどん対抗性のあるものを要求しました。

Q.

一度関係を持たれてからは、素材供給側がメーカーを叩き上げたと。

A.

ま、まぁ~そうですね。

Q.

常に新しい分野、製品を開拓、開発しているイメージが3Mさんにはありますが、全社が皆さんそんな脳みそをお持ちなんですか?

A.

ま~全員そういう思考は持っていると思います(キッパリ!)やはり開発部が開発、マーケティング部が”次に何を”といったようなことを、営業部は常々お客様からの要望をそれらの部にフィードバックをして、問題を解決するようなものを開発して欲しいと伝えますね。私達は、いま世にまったく無いものを出していかな ければならないといったような、「危機感」みたいなものは全員が持ち合わせていると思います(キッパリ!その2)

Q.

紙のディスプレイもありますが、フィルムはやはり高価なイメージがありますが、コストギャップはどうですか?

A.

溶剤系のフィルムなどはだいぶ安価になってきましたが、用途、ロットによっては変わってきますね。やはり大量ロットであれば紙の方がコストメリットがありますね。ですけれども意味合いが違いますから、一概に比べることは難しいですね。

Q.

物によっては、敬遠せずに充分なコストメリットがあると認識してよろしいですか?

A.

はい。

Q.

外資系企業の特徴は何ですか?

A.

ん~、今の経済状況は外資であっても厳しいのには変わりありませんからね。一ついえるのは、「ハッキリしている事」ですかね。例えば、売上・利益によって、各部の予算が期中でも変わります。あとは、「15%ルール」という独特なルールがあります。まったく違う部署の開発、研究をしてよいと ルールがありますね。当社は出来て100年になりますが、会社紹介なんかでも良く紹介されます。例えばフィルム開発のものが、光学フィルムの開発をしたりすることですね。

Q.

営業はないんですか?

A.

ルールはないですが、かなり自由度はたかいですね。エリアもしくわ業界別に分けられるんですけど、与えられた範疇の中ではどうやるかはまったく自由に任されるんです。「キングオブテリトリー」って言うのですが、やり方に関しては営業個人に任され、求められるのは結果ですね。

Q.

自社製品を様々な小売店等で販売し、TVコマーシャルも行い、認知度も高い。さらに独自の営業部隊も精鋭揃いとなると、我々中間業者は出る幕が無いのですが、いわゆる中間業者(販売会社)へ対する要望みたいなものはありますか?

A.

得意とする分野で、一番ボリュームが大きいものを見極めて戴きたいですね。やはり全部が全部というのは不可能ですから。

Q.

もうすぐ東日本大震災から半年が経とうとしています。多くの素材を扱う3Mさんとしてはどのような影響が出ていますか?

A.

全国組織である当社ですが、東日本営業部はやはり影響がございました。工場に関しましては山形といわきにございますが、大きな損傷は無く、軽微な被害で済みました。従業員、家族についても被災者はいませんでした。また弊社としましては、復興に対して我々の 製品がお役に立てるものがありましたので、支援をさせて戴きました。マスクなんですけど、そのほか衛生関連商品ですね。あと、東日本復興対策チームというものが会 社の中に組織されました。メンバーは7人で、仙台に転居を伴った異動をして、そこを拠点に活動をしています。先ほどのマスクや衛生関連商品をなるべく優先的に回るように、役所などと歩調を合わせながら、スムーズな供給を行えるような活動をしています。

Q.

いまのお話で出たマスクなんですけど、3Mさんの商品でグッズになりそうな物があったら教えてください。マスクを扱っているのは知りませんでした。

A.

そうですねぇ、スコッチテープがドーナッツ型のケースに入ってるものがありますね。それから、あぶらとり紙のフィルムヴァージョン、携帯電話のプライバシーフィルターもそうですね。

Q.

我々の得意先だと、この辺の方がHitする件数は多いかもしれません。今日はどうもありがとうございました。

A.

ありがとうございました。

 

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