京橋 平野(以下:平野) 今回は古くから弊社とお付き合いのある新灯印刷株式会社、代表の後尾社長様にお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 まずは自己紹介と会社紹介を簡単にお願いします。
新灯印刷 後尾氏(以下:継承略) 新灯印刷は、昭和24年創業、64年目になる印刷一筋の会社で、私は3代目社長になります。活版印刷から初まり、現在では"電子書籍の販売""アプリの作成"などにも力を入れ、本の作成にこだわりを持ち続けている会社です。HPを見て頂けると嬉しいです(笑) 私自身は、小さい頃から野球一筋で、母校は甲子園優勝しております。(自慢その①) 私は"翌年のキャプテン"を任されていたので、優勝旗の返還に行きました。前年度優勝校は校旗の掲揚と校歌斉唱があるんです。その間、バックスクリーンに上り、甲子園球場全体を見渡しました。あの景色は忘れられませんね。(センチメンタルその①) その後、大学に進んでからは、半年間"アメリカ放浪の旅"にも出かけたことがあります。西海岸を車で走り、ネバタ州を北から入り、砂漠を南下する際に、山の向こう側が突如明るくなりだし、山の反対側回った際にラスベガスの夜景が波のようにキラキラと光りながら揺れている景色も忘れられないです。(センチメンタルその②) こんな感じで、良いでしょうか?
平野: はい。有難うございます。ところで、印刷業界は昨今大変厳しい状況にありますが、貴社が力を入れて取り組んでいるものはどのようなものでしょうか?
後尾: 今、社員皆に朝礼や会議などがあるたびに、何度も伝えているのは『信頼』です。我々印刷業界も、ネット通販や大量受注による低価格の価格競争が激化しているさなかで、その渦の中に巻き込まれて同等に仕事を受注していても、お客様に満足頂けるような製品造り、そしてサービスの提供は難しい状況です。ですから、よりご満足頂けるようなサービスを提供し、価格的にご納得頂ける商品の提供に努めています。
平野: なるほど。価格競争の中でお客様に満足いただける"製品と価格の両立"というのは営業的には永遠の命題ですね。 そのサービスとはどんなものなのか差支えなければお聞かせください。
後尾: 単純にサービスと言っても、今のニーズは安く、いい製品を造ることが第一の前提です。その当たり前の常識をいかにご納得頂いて、他より高い価格で一つの受注を得るかは、色々考えました。今お話できる内容としては、本を造る上での上流から下流までの流れを、お客様が損をしないようにすべての流れをこちらでブランディングしていくことですね。苦労や失敗は数限りないので話し尽くせませんが、すべて今に繋がっている過程だと思っているのであえて苦労とは思っていませんよ。
平野: なるほど。単なる請負の印刷業としてではなく、上流の企画等を含めたことまでも手掛けるというようなことですね。最近手掛けられた事はどういったものですか?
後尾: とにかく今は、この方が本を出版したら面白いんじゃないか?と思う方に積極的にお会いしています。今年の6月に販売された本は、そういった出会いから産まれました。 実務教育出版さんから出版されました 星野有香さん著の「ソーシャルメディアを仕事に活かす本」です。実は"アマゾンで1位"を獲得しました!(自慢その②)
平野:・・・後尾キャプテン!!(校歌斉唱)
平野: 貴社で導入しているオンデマンド印刷に関してですが、導入のきっかけは何でしょうか?
後尾: オンデマンドは『ECOブック』と命名して一部のお客様に大変好評で活用してもらっています。導入のきっかけは、いかに"小ロットで安く本を造れるか"にこだわりたかったからです。それには自社に機械が無いと出来ないのも有りましたし、他にも需要はあったので導入しました。今では可変印刷や書店で販売促進のために置くPOPなど小ロットの本造りだけではなく活用しています。
平野: そのコストとメリットに関してどうお考えですか?
後尾: 今後もECOブックは進化させていきますが、現状出版社さまの状況として再版するまでの部数はいらないけど、100部ではコストが高すぎる。またはかなり以前に作成した本でデータやフィルムなどが残っていない場合です。このような状況はますます広がっていくと思います。その際のコストは、今後デジタル化がますます進化をしていく中で"早くできる=安く提供出来る"ようになってくると思っています。
平野: 貴社の取り組むCSRに関してお考えなり、具体策なりありましたら紹介ください。
後尾: 当社は社会貢献出来るほどの大企業ではなく、自社の売り上げを落とさないように踏ん張ることが今は目先の状態ではあります。ただ、目標として今後100年続けることを目指しています。そこまで続けていく為には我々が取り組んでいる仕事に誇りを持つことだと思っています。それは『知的文化財産の継承』です。次世代の子供達に本の良さを伝えていく為に"本造りのプロになること"です。 この想いが今後、社会貢献に役立つ何かを見つけられればと思っています
平野: 紙商に対して期待するところや不満に思うこと等ありましたらお聞かせください。
後尾: 同じ業界の立場として、いかにこの業界を守っていくか。守るためには攻めなければ縮んでいくだけなので、いかに自社ではなくお客様のためにサービスを提供できるかが課題だと思います。同じものを販売していく上での付加価値を御社の今の実績を踏まえて、以前書籍で使用した紙、またベストセラーになっている紙、今お勧めの紙など、今は無料で宣伝できるSNSなどを活用して、他社との差別化を図ってもらいたいですね。(当社のフェイスブックもご覧ください!)
平野: 貴重なお話とお時間いただきましてありがとうございました。今後の貴社に注目させていただきます。
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